薬毒の一実例  (昭和二十八年) 

  薬といふものは、病を治すものではなく、病を作るものであるといふ事は、左の実例をみても分る通り、病を治さないやうにし、病を保存し、段々重くするといふ事がよく分る。之に気が付かず、進歩したと思って信頼してゐるのであるから、その愚かさは未開人以上かも知れない。その中でも胃病は特に薬で製造し、死ぬまで苦しむのであるから、実に哀れなものである。此患者などは二十数年もそれで苦しんでゐたのであるから、薬なるものは全く人類の敵といってもよかろう。之を知らない医学は、つまり敵の味方となり、敵の思ふがままに暴威を揮はせてゐるやうなものである。といってら唖然とするであろう。思ふさへ慄然とするのである。
  従って薬の害毒を知っただけでも、現在世界中が恐怖の的としてゐる米・ソの衝突よりも比較にならない程恐ろしいかは、言う迄もない。嗚呼此事を一刻も早く、人類に知らせたいものと、日夜痛心して止まないものである。
        二十数年来悩み続けた胃病治る(本文省略)